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昨日は早く寝たので、午前3時半に目が覚める。出発まで時間があるので、服を洗い、今日の行動予定をたてる。レンタカーは12時半返却なので、ここをチェックアウト開始時刻の7時半に出ると約5時間だ。Madone
d'Utelle(マドンヌ・デュテル)という展望地には絶対行きたいのだが、片道50Kmある。地図を見る限りでは、かなり険しそうな道だ。でもせっかく来たのだし、しかも今日は曇り時々晴れの予報なので、とにかく行ってみることにする。
ルート選定をして朝食をとり、ガイドを読んだりしているうちに外が明るくなって来た。
7時すぎ、待ちきれないのでフロントに行ってみるが、まだ暗くて誰もいない。
NiceからUtellを経てMadone d'Utelleへ
時間通り7時半にチェックアウトして、すぐ出発。
メイン通りに入ると、Nice市街方面への渋滞がすごい。逆方向は空いている。今日から平日だ。車の流れは、昨日までとうってかわって、激しい。やはり、通
勤時間は日本と同じく、みんな飛ばしまくっている。慣れていないので恐い。
早速、右折ポイントを見失い迷いはじめる。Uターンしたいが交通量が多くてとてもできない。そのまま走っていくと、ついに一方通
行の細い道になってしまった。車を止めて地図を見ると、このまま真直ぐ行きD114に入ると、Madone
d'Utelleへの道D19に合流するみたいだ。
無事D114に入っれたのはいいが、再び迷う。ロータリーで、違う道に入り込んでしまったようだ。Uターンしてロータリーまで戻る。フランスでは交差点とロータリーの違いに慣れなければならない。地図ではどちらかはわからない。今回、ロータリーから違う道に入ってしまったという間違いが多かった。
そしてさらにもう一度、同じくロータリーから違う道に入ってしまう。D214の、展望台に続く道に入ってしまったようで、ここはいきなり登りになったのですぐ気付いた。時間があったらこのまま展望台まで行ってもいいのだが…と思いつつ、Uターンする。
D214はセンターラインのない道なので、Uターンした直後、ついつい無意識に左側を走ってしまい、対向してくるトラックにパッシングされて、慌てて元に戻る。危ない危ない!これがカーブの手前やったらどうなってることやら…、ゾッとする。今一度気を引き締めて、ハンドルを握らなければ。
D114に戻り少し走ると、交通量が減ってくるとともに、道も狭くなり、ついにセンターラインがなくなる。対向車が来たらいややなあと思いつつ走るが、偶然一台もこないまま、やっとD19に出る。D19は、渓谷沿いの広い道で走りやすいが、対向車は恐ろしいスピードで飛ばして来る。いやあ、平日と休日ではこんなにも違うのかあ。
Claireという集落を越えたところから、このD19は急に美しい並木道になる。車を止めてゆっくり見たかったが、かなり走ったところにしか駐車スペースがなく、あきらめる。
Levensという町の手前で、Madone d'Utelleらしき山が見え始める。
Levensを過ぎると交通量は激減、道も急に狭くなる。Madone d'Utelleの岩山が、眼前に迫ってくる。道路沿いに廃屋が建っている。急に山奥に入ってきた感じだ。さらに進むと、Duranusという集落に入る。山の斜面
に家が立ち並んでいる。
下りが続いたあと、渓谷沿いのD2565に合流する。1km程走り、D32に入り、いよいよMadone
d'Utelleにむけて登っていく。標高が上がっていくにつれて、遠くの山々が見えてくる。はるか遠く、雪山が見えてきた。
10分程登ったところで、Utelleの集落に入る。地図では標高935mとなっている。Utelleを越えるとすぐ、分岐点があり、まっすぐがD32、左がMadone
d'UtelleへのD132だ。D132は、急に離合困難な狭い道になる。道は、森の中へ入っていく。紅葉が、きれいだ。途中、のんびりと景色を眺めている人が何人かいた。
10時過ぎ、でMadone d'Utelleのパーキングに到着。ここから先、展望台までは歩くみたいだ。しかしここからでも展望は効く。時間がないので展望台まで行くのはやめて、ここで我慢する。ここよりも道中の方が景色は良かったな、などと思いながらもしばらく眺める。
慌ただしくNiceへ戻る
時間もないので、慌ただしくもと来た道を戻る。 下の方にUtellの集落が見える。村の中をゆっくり歩いて散策したいところだ。
離合困難な狭い道は、幸い往復とも対向車は来なかった。Utellのパーキングのところからは、はるか遠くの山々が見渡せる。車を止めて少し眺める。Utell集落が気になるが、時間がないので諦めざるを得ない。そそくさと車に乗り込み出発。う〜ん、消化不良起こしそう。
D2565に入ると、道が広いので、快適。両側は切り立った崖だ。この辺の道は、日本のように岩をコンクリートで固めてなく、削ったそのまま。トンネル内もそうだ。
途中、2箇所で工事をしていて、それぞれ5分程待つ。こちらでは、ほとんどの人が、エンジンを切って待つ。とってもいいことだ。もちろん自分も切る。信号が青になったと同時に、ブルンブルンとエンジンをかける音がしてきた。
国道N202に入ると、さらに道は広くなり、制限速度も90Kmで、ほとんど高速道路並み。海岸線までは、10分程で、11:30にはNice空港近くまで来た。
給油
さてこれから、レンタカー最後の難関が待っている。給油だ。N98のNice方面
行車線は確かガソリンスタンドはなかったなと思い、もうひとつ山側の道に入る。が、道はどんどん登りになる、これはおかしい。また道に迷ったようだ。下りになっている道を適当に曲がってみると、道路は人で溢れ、やたらとにぎやかなところに出てしまう。どうやら大学前のようだ。
このままノロノロと下っていくと、偶然、Niceの市街へ入った。そしてガソリンスタンドも見つかった。少し緊張しつつ、入っていく。フランスのスタンドは、ほとんどがセルフサービスで、ここもそうだ。給油口の外蓋はキー無しだが、内蓋がキー式で、日本とは逆だ。給油方法は日本にもあるのと同じで、ハイオク・レギュラー・軽油のホースから選んで給油、レジに行って払うというシステムだ。
ここは、日本で言うコンビニみたいな店が一緒になっていて、おいしそうなサンドイッチがいろいろ置いてある。昼はこれにしようと思い、野菜がたくさん入ったサンドを一緒に購入する。レジは、人の良さそうなマダムで、笑顔が素敵だった。
これで、懸案の給油も無事済ませ、あとは営業所へ一直線だ。返却時間の12時半がせまっているが、絶対焦ってはいけない、と思いつつ走る。
最後は迷わずに、無事パーキングに着いた。荷物が車の中に散乱しているが、時計を見るともう12時20分、ゆっくりパッキングしていられないので、リュックに収まらない荷物を2つの大きなビニール袋に詰め込み、営業所へ。久しぶりに全荷物を持つが、重い。車の身軽さを、改めて実感した。
Chek inカウンターの受付は、同じ人だ。無事Check inを済まし、フランス国鉄(SNCF)のNice駅へ。
Niceから鉄道で国境の駅、Ventimigriaへ
イタリア方面への列車の出発まで少し時間があるので、とりあえずベンチに座る。そして2袋あるビニール袋のうちの1袋を何とかPackingする。
荷物もまとまり少し落ち着いたので、これからの予定を立てる。
今日からのイタリアレイルカード(イタリア国鉄の乗り放題切符)を日本で買っているので、イタリアの入り口の駅Bentimigliaまでの切符を買う。ホームに上がると、すぐにBentimiglia行きらしき列車が入ってきたが、行き先がどこにも表示されていない。案内版に出てた番線で間違いないと思うのだが、念のため、駅員さんに聞く。Bentimiglia行きですよとのこと。
列車は、全然洗車してない感じでうすぎたない。車内も同じだ。しかも、満員で座れない。重い荷物もあるし、なんか不快適。今までが車だったから、何だか急にグレードダウンした感じ。
15分程でMonacoに到着。ここでほとんどの乗客が降りて、ガラ空きになる。ゆったりと座れるとなると、急に列車の旅もいいね、快適、快適…、などと我ながら勝手なものだ。
Roqueblune、Montonを通り、国境を越えBentimiglia着。国境越えをしたのでパスポートを見せる用意をする。ホームの階段に数人の警備員らしき人がいるので、パスポートチェックかなと思ったが、じろじろ見られただけで、そのまま通
過でき、あっけなくイタリアに入る。そしてとりあえず窓口で、レールパスの始めと終わりの日付けを記入してもらう。窓口の係員はじつにのんびりした人で、「8日間か、8日後は何日かなあ」と言いながら、ニコニコしながらゆっくりと指で数えていたが、途中でわからなくなったようで、また最初から数え始める。今度はわかったみたいでちゃんと記入してくれる。
駅の表示板で、列車の時間をチェック、次は、15:15発だ。あと1時間あるなあ、どうしようか、と考えていると、50才くらいのおっちゃんが、イタリア語で何か話し掛けて来た。一瞬、怪しいな…、と思いイタリア語は話せないと言って無視しようとしたが、今度は、英語に切り替えて来た。少々構え気味で応対するが、少し話していると、どうやら怪しい人ではなさそうだ。おっちゃんはこの町の住人らしい。ここはなかなか仕事がなく、自分の子供はイギリスの大学へ留学してそのまま就職したみたい。たまに帰ってくる時に英語を習ったとのこと。このあと、君は大学生か?と振って来た。面
倒臭いので、学生ということにして、美術大学で日本画という絵を描いていて、そのネタを探しに来た、と言う。すると、この近くのお勧めの風景を教えてくれた。San
remo(サン・レモ)という町で、安くていいHotelも多いからいいよ、とのこだ。
とりあえず、ありがとうを言って、駅を出る。Niceで買ったサンドイッチを食べるために、海岸へ向かって歩き出す。
町は、何となく荒んだ感じで、治安も少し悪そう。5分程歩くと海に出た。海岸は、砂利の浜になっている。人はほとんどいないので、ゆっくりと昼食ができそうだ。暑くもなく、寒くもない、快適な気温で、海もキレイで、いい気持ちだ。
今日の泊まるところを考えるが、できるだけ、明日行く、Cinque Terre(チンクエ・テッレ)の近くまで行っておきたい。さっきのおっちゃんのお薦めのSan
Remoも気になるが、ここに泊ると、明日Cinque Terreに着くのがかなり遅くなってしまいそうだ。San
Remoは諦めて、Genovaまで行ってしまうことにする。
Genovaへ
考えているうちに出発時間が迫って来た。もと来た道を戻って駅に向かう。列車はもうホームに入っているようだ。さっきの列車も混んでたから、席あるかなあと、心配になりながら、ホームへ急ぐ。列車は、ガラ空きだった。2等車だがシートは大きくて、かなりゆったりしている。さっきの列車とえらい違いだ。
しばらくして、列車は走り出した。ゆれもほとんどなく静かで快適だ。やっぱり外国では列車の旅がいい、などと思いつつ、車窓を楽しむ。進むにつれて、雲行きがだんだん怪しくなって来た。急に暗くなって、雨が降り出しそう。やっぱりイタリアの11月は雨季なんやなあ、今回の旅は、青空は期待できなさそうやなあ、と思い、かなり憂鬱になってくる。
そうしているうちにとうとう雨が降り出し、すぐに日も暮れた。ガイドでGenovaのHotelをチェックするが、持って来たガイドが、高級なホテルしか載ってなくて、一番安いHotelで★★の90,000Lit.〜となっている。まあ、とりあえずこのCairoli(カイローリ)というHotelめざして歩いて、途中に安そうなHotelがあったらそこにしよう。
Genovaで宿探し
18:00前、Genova着。かなりかなり賑やかな駅だが何となくコワい。駅を出ると、外は小雨が降っている。とりあえず、Hotel
Cairoliに向かって歩き出す。
ホテルへの道は、とても歩きにくい。肩幅位しかない歩道なのに、人通りが多い。しかも車道も狭いので少しでも車道にはみだしてしまうと、危険だ。少しイライラしながらHotelを探すが全部★★★以上で、結局安宿は見つからないまま、Cairoliの前まで来てしまった。が、雨も止んできたので、もう少し探してみることにする。
うろうろとしているうちに店が立ち並ぶ細い路地に入りこんでいった。まだ6時すぎなので、買い物客でとても活気があり、いい感じだ。おいしそうな食材を売っている店、ピザ店などが何件もある。駅前での印象は良くなかったが、ここにきて、何だかほっとする。
結局20分程歩いたが、これといったホテルは見つからず、Cairoliに戻る。受付の人は、とても感じのいいおにいさんで、英語で応対してくれた。シングルの部屋はいっぱいだが、トリプルは空いるから、シングル料金の90,000Litでどう?とのこと、これは良心的だなあと思い、即決。部屋は、トリプルとあってとても広く、きれい。ユースに慣れていただけに、よりうれしい。
とりあえず、荷物を置いて、夕食の買い出しに行く。
さっきの賑やかな通りで見つけた、おいしそうなピザ屋に向かう。重い荷物がなく、爽快だ。ピザ屋は、結構人が入っていて、期待できそう。ここでピザを2枚購入。店員のおねえさんも、感じのいい人だった。このあと、牛乳も買って、ホテルに戻る。
ピザは、さすがイタリアだけあって、おいしい。あ、そういえばワインも買い込むべきだったなあ。
食べ終わって、ベッドに寝転がってプランを考えているうちに、疲れのせいか、いつの間にか寝てしまった。
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