南フランス〜イタリアの旅
[2日目
/11月17日]


8:00Nice空港前ホテル発→8:00Nice市内着=旧市内散策etc.=12:30発→Eze→Nice着(泊)


 
Niceの海岸が見えてきた
15分程でSNCF(フランス国鉄)のNice駅に到着



Niceの海岸で朝食を...

 
Niceの朝市
絵画販売の出店もあり、
なんと画家自身がその場で描いて売っている


朝市会場に程近いところにて

  
Nice旧市街。建物もカーヴしている
裏道りは、ちょっと寂しい感じ


  6:00前に目が覚める。昨日の酔いは、ほぼ解消。TVをつけて天気予報をチェック。言葉がわからないのでマークで確認、ニースは、雲マークに小さい太陽がくっついている。8:05の空港発Nice行に乗ることにして、早速出発準備にとりかかる。
  7:00前、だんだん空が白みはじめる。空は雲ひとつない快晴。昨日買った地図を広げて、今日のレンタカーで回るルートプランをたてる。今回は24時間だけのレンタル。でも、これじゃあどれだけもまわれない。思いきって、営業所でプラス24時間の延長をお願いしてみよう。
 あ、それと、今晩の宿は、ニースから車で1時間程の、Mantonという町にあるユースホステルにしようと思いガイドを開く。と、なんと「11月16日から休み。」???。ん〜、今日は17日、おしい。さらにガイドを見ると、MantonからすぐのMonacoにもY.H.があるとのこと。今日はちゃんと営業しているようなのでここに決定。
 

Nice旧市街へ


  8時前にホテルを出発。バス亭に着いて待っているとまもなく、Nice Centralという表示のバスが入ってきた。運転手に、「ニースまで行きますか?」と聞くと、「次のバスがそうだよ」とのこと。
 
バスはすぐ来て、すぐに出発。そして昨日渡るのに苦労した高速道路に入っていったが、実はこの道、一般 道路だった。
 乗客は、他に1人だけで、バスはNiceの海岸沿いを走っていく。太陽が煌めきが美しい。海岸沿いを散歩やジョギングしている人が多い。とっても気持ちよさそう。

 しばらく走るとバスは海岸線から離れどんどん街の中へ入っていく。そして、運転手の威勢よい「GORE!(駅)」の案内で駅前に着いた。どうやら終着のよう。
  駅から旧市街は離れている。ひょっとしたら旧市街行きはあの「Nice Central」行きだったのかな?いやあ、言葉をもっと勉強しなければ…、などと考えるが、せっかく駅前まで来たから、先にレンタカーの営業所の場所を確認しよう。駅前インフォメーションで聞くと、場所はすぐにわかった。

  旧市街へは、徒歩で行く。道中、サンドイッチを買い込む。旧市街沿いの海岸には15分程で着いた。地図で確認すると、さっきのバスで近くを通 ったみたい。ちょっと無駄な動きをしてしまった。
  砂浜には、ちょうど椅子が置いてあって、それに座ってのんびりと食べる。いや〜、ついに1人で外国に来てしまったなあ、と、この歳で遅ればせながら感慨にふける。う〜ん、それにしても昨日は辛かったなあ。やっぱり疲れを引きずっている感じがする。この先どんな困難が待ってるのかなあ、などと思うと不安でいっぱいになってきた。
  憂鬱な気分で海をぼんやり眺めていると、なんと、11月なのに海で泳いでいるカップルがいる。しかも、なんだかとっても楽しそう。よく見ると、他にも数人泳いでいる人がいる。そのカップルは海から上がったあと、水着のままでビーチバレーを始めた。すごい元気だなあ。そんな光景を見ていると、少し元気が出て来た。

  海岸で少しぼ〜としてから、旧市街に入っていく。広場では、朝市をやっている。すごく活気のある市で、新鮮な野菜、果 物、花、チーズ、肉などいろんなものを売っている。しかも安い。威勢の良いかけ声に乗って、思わず、トマト・オレンジ・りんごを買い込む。全部で5フランもしなかった。ここの朝市は、売る人も買う人も、生き生きしている。少し沈んでいた気持ちが、だんだん明るくなってきた。
  朝市をしばらくうろうろしてから、旧市街の細い路地を歩き出す。旧市街を上から見渡せるような場所がないかなあと、坂を上がっていくと、丘が見え始めたが、丘の手前で行き止まり。いったん下って、別 の坂を行くと、公園の入り口があり、ここから丘に行けそうだ。登るにつれて見晴しが良くなってきたが、急に曇ってきた。

  丘を登り詰めると、そこは城塞のようになっていて、地中海と、Niceの市街、遠くの山が一望できる。曇っているのに、すいこまれそうな青の海と、赤茶色の屋根とのコントラストが美しい。しばらく眺める。

Nice ←Niceの今日の天気です



  
旧市街を望む
街の向こうは紺碧の海。,曇っているのにこの色
反対側の海も、銀の波が美しい。



Nice旧市街マセナ広場前の並木

 
さあ、レンタカーを借ります

  帰りは、今来た坂とは別のルートを下っていき、旧市街を抜けてレンタカー営業所へ向かう。途中、スーパーマーケットに立ち寄り水を買い、12時すぎ、営業所に到着。
  はじめに、あと1日追加レンタルできないか聞いてみるが、あっさりOKとのことで、気になるお値段は400フラン。日本で買ったクーポンは、フランに換算で300程だったから、少し高い。少し考える。日本円で約7000円だが、貧乏旅行としてはすごい出費。でも、借りよう!。
  諸手続きを済まし、KEYをもらう。車は駅前パーキングビル6階にある、Hartsレンタカーの駐車コーナーまで、自分で行って勝手に乗って出発するシステムのようだ。Hartsレンタカーの場所は、ほぼ満車で、この時期に借りる人はほとんどいないようだ。
 車は、フィアット・プントという車だ。早速右のドアを開けて乗ろうとしたがハンドルがない。しまった。左ハンドルだったのだ。
 出発前に、ルートの確認をする。取りあえず、今日泊る予定のモナコまで行ってみよう、などと考えながらモタモタしているうちに、隣の車には、2人組の女性が乗ってきてさっさと先に出ていった。


迷いながらMonacoへ


  さあいよいよ出発。ハンドルを握る手はちょっと緊張気味。駐車場ビルをぐるぐる回り、公道へ出る。モナコへは、ニース市街を抜けていかなければならない。大体のルートはチェックしたつもりなのだが、早速迷いはじめる。標識はあっても、全部読めないうちに、通 り過ぎてしまうので、変な道に入ってしまったようだ。やっぱり、言葉の障壁は大きい。
  いつのまにかとても細い路地に入り込んでしまう。すべてが左右逆の世界はほんとうに戸惑う。対向車が来たらさっと右に避けなければならない。自分に逆、逆と言い聞かせるあまり、発進の時、右上にシフトして、エンスト。ギアチェンジのシフトパターンと、ペダルの位 置だけは同じなのに...。すべてが慣れるまでは、少しかかりそうだ。でも、すれ違いの時、さっと譲ってくれるやさしい人が多くって、とても助かった。

  ずいぶん迷い、やっとの思いでモナコへの国道98号線に出る。ヨーロッパは飛ばす人が多い、と聞いていたが、今日は土曜日だからなのか、車の流れは穏やか。98号線はずっと海が見えていい感じなのだが、晴れてたらもっと最高なのかなと思いながら走らせる。
  慣れない右側通行に少し疲れたので、Parkingで休憩。朝買ったサンドイッチを食べながら、MAPを見る。今から行くモナコのユースホステルは、駅前近くの、細街路にあるようで、もしかすると駐車場がないかも...。少々あきらめ気分。だめだったらニースに戻って2件あるユースのどちらかに泊まろう。しかも2件とも街の中心部からはかなり離れてるのでそこなら車も止められそう。

  モナコに入ると、突然賑やかになる。ニースからの国道は、のどかな所を通 って来たので、変な感じ。ここは小さいながらもひとつの国で、入った所の交差点では、警官が車を止めて検問みたいなことをしている。一応パスポートを用意したが、全車チェックしているわけではなく、そのまま通 過できた。
  ユースへの道を探すが、目印のモナコ駅を見過ごしてしまい、完全に市街に入ってしまう。モナコの街は、ゴミひとつなくキレイで、治安も良さそうなのだが、洗練されすぎていて自分的にはかえって落ち着かない。
  有名なあのF1のヘアピンコーナーをのろのろと通過、一周してもとの道へ戻る。今度こそはユースへの道を発見できたが、向こうからの一方通 行で、しかもとても狭い。早々にあきらめる。今晩の宿はニースのユースに決定。
 

 


Eze-Villeがみえてきました



Eze-Villeの集落


 
Rue Grande(グランデ通り)



 
熱帯植物園入り口近くにて



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熱帯植物園より、村を見下ろす

またまた迷いながら、断がいの村Eze-Villeへ

 泊まるところも決まったので、次の目的地、断崖の上の村Eze-Villへ。この村はニースへ戻る道中にある。今来た国道98号よりひとつ山側を走っている国道7号沿いだ。98号よりさらに高いところを通 る7号はさらに眺が良い。しつこいようだが、どんよりと曇っているのが残念。

  少し走ると、Eze方面左折の看板を発見、指示通り行くと海のほうへどんどん下っていくのだが、どこまで行っても断崖の上の村らしきものはない。そしてついに、海沿いの国道98号に出てしまった。この98号はEze駅前を通 るので先程の標識は、駅を指していたようだ。駅前の手前で右折し、再び登っていくと、さっきの国道7号に戻った。
  Nice方面へ少し走ると、Eze-Villeの集落が見えてきた。道路沿いにパーキングがあるので車を止めて、断崖の上の村全体を眺める。ここから村の入り口までは近そうなので歩く。入り口へはすぐだった。観光客が結構来ている。
  街路は、すべて石畳で、家の壁も石でできている。所々からは、碧い地中海が見える。何百年も前に建てられた家は、歴史の重みがあり、重厚で美しい。適当に階段を登っていくと、いきなり墓に出た。行き止まりになっていて、さらに高い所に城塞が見える。城塞には人影があり登れそうなので行ってみよう。城塞への道を探すが、迷路のようになっていてどうも良く分からない。と、そのとき日本人らしき2人連れに遭遇、ちょっと「日本の方ですか?」と聞いてみると、そのようで、自分達も、その城壁に登りたいが、道がわからず探しているとのこと。一緒に探すことになった。
  2人組は、ワーキングホリデーでNiceに働きに来ているみたいだ。城塞の入り口はすぐに見つかった。が、城塞に入るには、入場料をとられる。とっても行きたいので迷わず切符を買ったが、2人組は、どうも入るかどうか迷っているみたいなので、ここで別 れる。

  城塞は、熱帯植物園になっていて、サボテンが植えられている。説明のプレートもあるが、フランス語なので、何が書いてあるのかさっぱりわからない。城塞の上からは、地中海が一望できる。スケッチをしようと思ったが、しまった、リュックは車だ。手ぶらで来てしまっている。
  しばらく眺めているうちに少し暗くなって来た。まだ16時なのに、やはりこの時期は、陽が暮れるのが早いなあ。明るいうちにユースに着きたいので、そろそろ車に戻ろう。


車が動かない!


  車に戻り、すぐ出発。が、バックギアに入らない。シフトノブの表示では日本と同じ、5速の下となっているが、全然ダメ。力まかせで強引にやってもダメ、まさか1速の左?と思いやってみたりしたが、やはりダメ。一旦エンジンを切って、落ち着いてじっくりと考えながらやってみたりしているうちに、あたりも暗くなってくるし、だんだん焦ってきた。もがいているうちに、もうなんでもいいやと、やけになって思いっきりシフトノブ自体を引っ張ると、ガコン、とかいう手ごたえを感じた。そのまま手前へ倒すと、入ったのだ!ふう〜ん、安全装置の一種かあ、なるほどねえ〜。と、変に感心しながら、エンジンをかけてもう一回今の操作をすると、バックに動き出した。よかった〜!
  ずいぶん時間が経ってたようで、外はまっ暗。Niceに戻入り、市内地図を買おうと本屋を探す。海岸から駅方面 に向かうが、すごい渋滞。本屋は見つかったが、路上駐車ができずあきらめる。夜のNiceは、とても賑やかというか騒々しい。確か前来た時も、夜の印象は、良くなかった。車で探すよりも、歩いた方が早いと思い、適当なところに車を止めて、歩く。うれしいことにすぐ本屋が見つかる。「Bon soir」と言って入り、地図コーナでNice市内地図を探すが、見つからない。店員のおっちゃんが来て、フランス語で何か言ってきたのだが、「Nice市街が詳しく載った地図ありませんか」が言えなくて、いい加減なジェスチャーをすると、なんとかわかってもらえたみたいで、Nice市街地図を出してくれた。喜んで、NHKのフランス語講座で聞いた「これください!」というのを言ってみた。
  地図を無事Getして車に戻り2つのユースの位置を確認、ひとつは海岸、もうひとつは高級住宅街。どちらも魅力だが、高級住宅街の方にしよう。


無事、宿へ

  本屋から10分程で割とスムーズにユース前の通りの入り口に着く。とりあえず通 りを入っていくが、どうもそれらしい建物がない。引き返して入り口まで戻ると、介護カーが止まっているので運転手に聞いてみる。返ってくるフランス語はやはりわからないが、「まっすぐ・左」というのだけ聞き取れたので、まっすぐ行って左に曲がるのかなと勝手に判断して、その通 りをもう一回入っていく。引き返した地点も通り越してどんどん行くと、左右に道が別 れている。左へ曲がるとすぐ、ユースがあった。
  ガイド通り、元は豪邸のようで、立派な門がある。建物も、豪華な感じだ。重い扉を開け、庭を歩いていくと受付があった。元豪邸だけあって、たいへん立派な建物だ。「今日泊れますか」と聞くと、英語で「OK」の返事が返って来た。朝食・夕食込みで、150フラン(\2,600程)と安い。手続きを済ましたあと、部屋へ案内される。
  部屋は別館で、豪邸の続きではなく、鉄筋の新しい建物だ。電気が着いていなくて、しかも入り口の鍵を開けて入っていくので、「今日は、誰も泊まってないんですか?」と聞くと「Yes」とのことで、「食事をしている人は、食事だけをしに来た人」と言う。かなり大きい建物で、これが1人で貸し切りだ。気分がいいのやら、少し恐いやらで複雑な気分。部屋は、ベッドが7つあって、思ったよりもきれいな部屋だ。シャワーもゆっくりできる。荷物をおいて、すぐに食堂へ。

  夕食は、何人かでひとつのさらをつつく、という形式で、すでに3人が囲んでいるところにお邪魔した。挨拶はしたが、フランス語はさっぱりなので、どうしよう、などと考えていると、大皿をこちらへ近付けて、どうぞ、と言ってくれたので、ありがとうと、にこにこしながら食べはじめた。そのうち先ほどの受付のおばちゃんも合流してきて、フランス語で喋り出した。会話によれたらいいのになと思っていると、おばちゃんが、英語で喋りかけてくれる。明日の天気が気になっているので、聞いてみると、あまり良くないみたいだ。雨が降るかどうかはわからないとのことだが、残念だ。食事は、チキンライス、鳥のもも肉、アンチョビのたくさん入ったサラダ、ケーキだった。
  食事を終えて、部屋に帰りベッドで明日の予定を考えるが、すぐにうたた寝にはいってしまった。
  22時過ぎ、賑やかな声で起きる。どうやら宿泊者が来たようだ。フランス語を話す3人組だが、2人はアジア系の顔だ。一人が日本語で「日本の方ですか」と聞いて来た。それで喋り始めたのだが、彼はフランス語の語学留学に来ていて、あとの2人とは、フランスに来てから知り合ったそうだ。しばらく喋った後、彼はシャワーに行った。フランス人ぽい一人も英語で話しかけて来た。モロッコ出身で、マルセイユ語学生の2人が住む寮の食堂で働いているとのことだ。カサブランカの近くの小さい街で生まれ育って、今はフランスに出稼ぎにきているみたい。
  今回は、始めての海外ユースだったが、その国の人とコミュニケーションがとれて、なんだかいいものだなあと、感激。0時前、電気を消して寝る。
 
 
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